Hydrofoil

F.ONE Hydrofoil について・・ラファエル・サルーにインタビュー ！！

フォイルの選び方について 前半はフォイルの基本的な説明、素材、面積・AR・プロフィール、ハイアスやトレンドなどを説明しています。

◖EagleやSeven Seas、のハイアスのフォイルが出てきましたが、ハイアスの長所と短所を教えてください。

◗Raphael Salles（以下RS）： AR 7以上をハイアスと呼びます。（ARアスペクトレシオ） F-oneのハイアスはフィネスを求めて生まれました。フィネスとは、スピードに乗った状態でウィングを離して、どれだけ長い距離水面に着かずに飛んでいられるか、を意味します。 ジャンプやフリースタイルを楽しんだあとは究極はフリーフライ（フリーライディング）で、一度離したウィングに再び風を入れずにどれだけ長く飛んでいられるか、だと思います。そこでハイアスが威力を発揮して違いを見せてくれました。ARを上げれば上げるほど遠くへ飛ぶ力が生まれ、より大きなウネリに挑戦することができます。 ウネリの周期とARが関係することに気付きました。周期が長くなればそれに合わせてARを上げれば、ウネリのスピードに置いていかれずに波の速度に合わせて乗っていくことができます。 例えば地中海の場合、周期4sならAR 6〜6.5のPhantomが最適です。ハワイのモロカイの15〜18sの周期になるとEagleが必要になります。スピードを保つには、周期が上がれば上がるほど（長くなるという意味か？要確認）フォイルのサイズ、面積も合わせて小さくします。 短所はプレーニングの入りです。 厚みは少なくフロントフォイルのコードも短い。コードChordとはリーディングエッジとトレーリングエッジの間のこと。飛び始めが少しデリケートです。 より速度が必要になります。フォイルを活かすためには、より水中の速度か、または強い風が必要になります。 Eagleを出したときはエキスパート向けと伝えましたが、実際には社内の普通レベルの人もEagleを使ったら、素晴らしい！新しい感覚を得られた、と非常に高評価でした。新しいフィネス、ウネリに乗って滑る感覚を発見してこのフォイルのポテンシャルに感激してました。ただし20ノットの風が要ります。それ以下だとかなりテクニカルで技術を要します。


◖ターンの操作性は？乗り手次第ですか？ 

◗RS： 乗り手の腕はほんの少しは関係するけど、ARが高いほど操作性は下がります。なので、パフォーマンスと操作性を最大化するために、ウィングレットとフェンスを研究しました。 Eagleは小さい翼だから、高いARでも面積が抑えられてるの大丈夫なんです。1000以上1200や1400のSeven Seasになると、ARを下げなければなりません。1500でAR 10だと広い面積で操作が難しくなります。幅1.5mで例えばマスト75cmだとすぐ水から飛び出してしまいます。 全てのフォイルが操作しやすいものであるために、形状をよく研究しました。 そのため、Eagle 890と790はサイズの割にとても高い操作性を保つことが出来ています。


 ◖スタビライザーの役割について教えてください。フロント翼の上向きを抑えてバランスを取るためだけなのか、スピードや操作性にも一役買っているのか？

 ◗RS： 確かに。スタビライザーは大きな役割を担っています。例えば高ARのEagleならスタビライザーも高ARです。フロント翼の速度が早ければ、スタビはそれを妨いで速度を落とすものであってはいけません。その計算をされて、スタビも大変薄いです。これもフレックスの問題に直面し、（素材を）ハイモジュールに変更する必要がありました。形はフラットでポンピングしやすく、操作性もよく仕上げました。 

◖確かにこちらのタイプとは形が随分違いますね。 

◗RS： そうです、PhantomかSeven Seasに合わせるスタビだとEagleに合わせる210cmより面積が大きい250cmを使います。こちらの方がプレーニングに入る時に持ち上がりやすく、フロントフォイルの速度とARにマッチします。 最近小さいスタビの展開を増やしています。例えば、操作性を上げるには、fuselageの長さを抑えれば良いのです。 年内には、操作性をアップさせてくれる小さいスタビのレンジを紹介できる予定です。また、小さいスタビ＝若干不安定になりますので、ご自身の好みに合わせたサイズを選んでください。 あと、スタビでフロントウイングの性格を変えることができることに気づきました。近い将来、サーフィンやウィンドサーフィンでサイドフィンを変えたりしていたように、スタビで色々調整をする日がやってきますよ。ダウンウィンドにはそれ用のスタビを、翌日ウェイブコンディションになればサーフ寄りのものに変えて、ライトウィンドの時は少し大きくしてリフトしやすく、ポンピングしやすくできます。今後数ヶ月〜数年で、コンディションに合わせて、どのフォイルにはどのスタビを組み合わせるか、がクイバーの選択肢になります。私たちはそのレンジを出来るだけシンプルに分かりやすく、開発し作り上げるためにいます。そのため、製品化するのに時間を要することがあります。それはそのレンジに整合性があり、万能である必要があると考えているからです。Phantom、Seven Seas、Eagleの全てが調和して、良い仕事をするように、皆さんのクイバーの中で組み合わせやすいように研究開発しました。 


◖では実際にフォイルはどのように選べば良いですか？ 

◗RS： あなたがウィング歴１〜2年、Phantomを１〜２枚持っているとしましょう。ハイアスが次々発売されて、ご自分のクイバーをどうすれば良いか迷ってます。できれば全てのコンディションを２〜３枚のフォイルでカバーするのが理想的だと分かっています。 もちろん人によっても、お好みのスタイルにもよります。 もし3枚のフォイルしか持てないと仮定したら、 まず18〜20ノットのライトウィンドで素早くプレーニング＆グライドを楽しみためには、体重70〜80kgの平均的な体格の方にはSeven Seas 1200、体重がそれ以上ならSeven Seas 1400が良いでしょう。 Seven Seasは厚すぎないプロフィールのために走りやすく、見かけの風を作り出しやすいんです。素早くスピードに乗って、水中のドラッグ（引きずり）が少なく快適に乗れます。 次に避けては通れないのが1000前後のフォイル。これは風が少し強まったり、うねりが上がってくる時に使います。波乗りせずに沖でうねりの中ダウンウィンドなどをするのであれば、Seven Seas 1000が良いでしょう。波で遊びたいならPhantom 940か1080がオススメです。サーフするにはAR6がちょうど良いです。ウィングの他にサーフフォイルをする人は、ポンピングが非常にしやすいPhantom 1080をよく使います。ポンピングで何周も波のセットを回す時に、20分で息が切れることなく、長くサーフセッションを楽しむことができます。 そして、ウィングにハマってて強風とうねりのコンディションでも乗るなら、Eagleが必要です。乗るポイントの風に合わせて、790か890を選びます。 小さなEagleでハードコンディション、Phantom 940 1080でサーフやフリーフライ、Seven Seasでライトウィンド、をカバーできます。 Eagleのレンジ、Seven Seasのレンジ、などで揃えるのではなく、コンディションに合わせて各モデルから、ARやプロフィール、そして興味のある内容で選んでください。 

◖なるほど、好みの乗り方・スタイルと、コンディションに合わせて選べば良いのですね。

◗RS： そうです。各ARやモデルの意味や特性を理解して、体重に合わせた面積を選んでください。 軽量の方は790 940 1200、体重の重い方は890 1080 1400が良いでしょう。体格に合わせること、そしてもちろん乗るポイントに合わせることも大切です。 地中海のように年中強く吹く場所もあれば、ブルターニュにようにスウェル長が大きい場所もあります。そこでは地中海よりも高いARが必要です。 


◖休暇で持っていくなら何を選びますか？ 

◗RS： Eagle 790 Phantom 940 Seven Seas 1200ですね。あまり強風でなければこれが最適です。 もし1枚しか持っていけないとしたら？ RS： Phantom 1080を持っていきます。 このフォイルは私たちが開発でウィング、マストやボードのテストをする時に使う万能フォイルです。どんな風にも対応し、みなさんが使用するコンディションに最も当てはまります。 もしEagleでStrike のテストをしたら、速度重視のウィングしか生まれないでしょう。なので水中に程よいブレーキがないと、ある程度のパワーを持つウィングが作れませんから。

（翻訳Kyoko Mizobe）